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10年後へ向けたデザイン

※この記事はI was gameのカレーさん主催 「Board Game Design Advent Calendar 2014」の第18日目として書きました。


皆様、こんにちは。DreamBoardGamesというサークルに在籍しています、雨宮と言います。
ゲーム製作としては3年目、今春~秋のゲームマーケットで「MBUGA」という作品を出させて頂きました。

タイトルについて

10年とちょっと前、僕は初めてボードゲームを買いました。
店頭でデザインが気になったカプコン版カタンと、日韓W杯に絡み取り上げられていたレジスタ(現サッカーチェス)だったと思います。そして、色々なゲームを買ったり手放したり、遊んだり積んだりし、ゲーム製作まで始めて今に至ります。
逆に10年後、3人の子供は中~高校生になろうかという年齢。
その頃になれば、勢いで作った自分の作品なんて、冷静で客観的な評価で一蹴されるのかもしれません(笑)

という訳で、今回は「10年後へ向けたデザイン」というタイトルにしてみました。
未来に備え「昔作ったゲームだけど、今でも遊ばれているゲームなんだよ」と言えるように、「長く遊ばれるボードゲーム」についてデザインという方面から考えてみたいと思います。


長く遊ばれる要素

ボードゲームの製作には、実に沢山の要素があります。
「ゲームとして面白い」
「システムの完成度」
「興味を引くアートワーク」
「オリジナリティのある・質の高いコンポーネント」
「手に取りやすい価格への取り組み」
、、、これらは製作のメインとなり、多くのデザイナーが創意工夫し、意見交換がされています。

これらと同じように「長く遊ばれる」を考えてみると、そこにはいくつかのパターンがみられます。
まずは「長く」と「遊ばれる」の要素を切り分けてみましょう。

「長く」ですが、ここでの長さとは「プレイしたいと思った時にプレイできる環境のある期間」ではないかと思います。
まぁ、簡単に言えば、ゲームを自分で所持している期間です。他の例として、サークルやゲーム会で常備しているという場合もあるかもしれません。
身内だけでのプレイ環境では当然、ゲームを持っていなければ遊べないですし、誰かがゲーム会に持ってきてくれるにしろ、環境の変化で遊べなくなる事もあります。


次に「遊ばれる」についてですが、デザインにおいて「リプレイ性」という言葉があります。
ゲームの初期状態にランダムを用いゲーム展開を変化させる。多くの効果があるカードから、一回のゲームでは一部しか使わない。
こういったデザインは、複数回のプレイでも新鮮味を出し、プレイ回数が増えるような工夫です。
この他にも、いつ誰と遊んでも面白い、そんな鉄板ゲームがあるかもしれません。

このそれぞれについて100%、0%という極端な数値を例にし、「ゲームの所有時間」×「ゲームのプレイ頻度」の関係を見てみます。


パターン① 所有時間100%、プレイ頻度100%

これは、とても長い期間所持していて、かつ何度もプレイしているゲームです。
プレイヤーの中で何本かの指に入るような、本当にお気に入りの作品と言えるでしょう。
ここに入るのは確実に「長く遊ばれるゲーム」ですが、単純に面白いというだけでなく、そのプレイヤーの感情を動かすような。「特別」になる必要があると思います。


パターン② 所有時間100%、プレイ頻度0%

長い期間所持しているけれど、ほとんどプレイされていないゲーム。つまり積みゲーです。
または、希少性の高い入手困難な作品かもしれません。
所持されているので、気持ちが向けば遊ぶ機会が来るのかもしれませんが、新作・話題作の多い昨今ではなかなか難しいかもしれません。
棚の整理や新作購入資金として、いつか手放されてしまうその時までに、何度プレイされるのでしょう?


パターン③ 所有時間0%、プレイ頻度100%

少し限定されますが、「ゲーム自体は持っていないけれど、知り合いやゲーム会で高頻度で遊ぶ」というパターン。
ゲーム仲間が所持するパターン①のゲームだったり、ゲーム会に誰かは持ってくる新作・定番ゲームが思い当たります。
ここに上がるゲームは、ゲーム全体としての質が高い印象があります。


パターン④ 所有時間0%、プレイ頻度0%

持ってないし、遊んでいない。ノットフォーミーだったか、資金不足から購入をスルーしたゲーム(笑)
と言うだけでなく、どんな王道ゲーム・有名ゲームであっても「名前は知ってるけど遊んだ事ない」というのは意外と多いものです。
これだけ沢山の作品が出回っている訳ですし、ボードゲームのプレイ年数もまちまちなので、仕方のないことです。
くれぐれも「えっ!?あのゲームも遊んだことないの?」なんて言わないように。


実際は100%、0%でなく、各プレイヤー、各ゲーム毎に細かい数字の上下はあるでしょう。
またデザイナーにとっても、「パターン①が理想」とか「パターン③が好き」という方針も違うと思います。


長く遊ばれるデザイン

では、製作パートごとにデザインを考えてみます。

①ゲームシステム

ボードゲームにおいて、後発で似たようなシステムのゲームが出る場合はありますが、ゲームシステム単体でみると経年劣化の少ない部分かと思います。
ベースとして「面白い事」という条件があり、それが何より難しいだろっていう話なんですが、
それ以外として、
・総プレイヤー数の増えるデザイン(ルールの軽量化、例外の少ない分かり易いルール、1ゲームでのプレイ人数の幅)
・総プレイ回数の増えるデザイン(短時間化、初期セッティングの多様化)
などが考えられます。


②テーマ

ボードゲームのテーマは、プレイヤーの感情を刺激し、ゲームに対しての印象を大きく変化させます。
それゆえ、好みに合わないテーマの場合、内容如何に関わらず見向きもされない事もあり得ます。

長く遊ばれるゲームを考えた時に、まず「テーマなし」という選択肢があります。
テーマを持つ事で「初めての人に、より直感的に分かりやすく」と思いがちですが、「計算が苦手」「記憶が苦手」と同じように「なりきりが苦手」という人も居ます。そういう人にとっては、ゲームシステムの理解に加え、テーマの理解が必要になり、逆に重荷となってしまいます。
また、初めての人の好みが分からない場合、ゲームを勧める上でテーマがハードルになる可能性もあります。

もしテーマを持つゲームであれば、
・プレイヤーがより日常体験しているテーマ
・プレイヤーが決して体験できないような印象を与えるテーマ
のどちらかにしっかりと方向を定めると、伝えるべき相手が見えてくるのではないでしょうか。


③コンポーネント

カードや駒、箱、説明書など実物のもので言うと、
・オリジナリティの高さ
・インパクトがある
という、「記憶に残りやすい」デザインが必要だと思います。
話のネタになるようなギミック、ゲームを遊ばなくても見返したくなるようなアートワーク。写真を撮りたい、レビューを書きたくなる、そんな感情を引き出したいです。

また、基礎的な部分として、透けないカードや曲がりのないボードなど、ゲームとして遊ぶ上で不備がないか、手間を惜しまず、サンプル等でしっかり確認しておきたい所です。



と、まぁ、ゲーム製作面からそれらしく挙げてみましたが、長く遊ばれるのに本当に大切なのは「一つの作品に継続して取り組む」ではないかと思います。


ボードゲームは何でもあり!?

そもそも「ボードゲーム」には「アナログゲーム」「テーブルゲーム」「非電源ゲーム」など様々な呼び方がありますが、そこに含まれる作品といえば、さらに多彩で複雑です。
対象年齢もプレイ時間もまちまち、豪華なコンポーネントを使うゲームもあれば、はがき1枚しか使わないゲームもあります。CDを再生したり、レーザーポインターを使うような「電源」にこだわらないゲームだってあります。

また、ボードゲームはしばしば改良されます。
一度ゲームが完成し販売された後でも、ゲームの再販の際にイラストが変わったり、別で出ていた拡張セットと同梱されて新版になったり、場合によってはシステムはそのままにテーマが大きく変わったり。


つまり、どんなものでも「ボードゲーム」と言えてしまうし、向き合っている限り、ずっと一つの作品に取り組む事ができるのです。

「長く遊ばれるゲーム」を作るには、「長く遊ばれるゲーム」と呼ばれるまで、ゲーム内容をブラッシュアップし、ゲームの広報宣伝活動に励む事だと思います。


未来をデザインする

今回は「一つの作品に継続して取り組む」を一例として挙げましたが、一つの作品に限らず、ゲームデザイナー自身の活動、サークル、ゲーム会、ゲームショップ、出版社。あらゆるものに関して「未来の形」をデザインする事が大切かな、と思います。

新しいものを「生み出すこと」はとても大変で、ついそこにばかり目が行ってしまうのは当然だと思います。
しかも、周りからも新しいものがどんどんと誕生していれば、なおさらです。
ただその中で、自分の思う形に向かって「育てること」も忘れずにいたいものです。


また、「生み出すこと」より更に「育てること」が大変でして、これは子育てと同じような気がします(笑)





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さて、明日、19日目は「大怪獣コトバモドス」を製作された「一年中未来」さんによる、
「ボードゲームを作ってみよう(実践編)」です。
というか、作品名もサークル名も個性的で興味を引きますw

引き続き、Board Game Design Advent Calendarをお楽しみ下さい。




あ、自分はうどんよりそばが好きです。
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プロフィール

Author:雨宮 [space_elevator]
アナログゲーム好きが高じて、昨年から本格的な製作に入りました。やりたい気持ちの反面、時間が取れない日々ですが、こつこつと。

製作物に関しては、【作品紹介】の項目から、作品名をクリックしてください。

→所持一覧

Twitter...

作品紹介

■MBUGA ~Survive on South Savanna~■
 プレイ人数:2~5人
 プレイ時間:45-60分
 推奨年齢:10歳以上
 ジャンル:ダイスマネジメント+陣取り
 →総合ページはコチラ


■QuattRide Wars■
 プレイ人数:2人
 プレイ時間:30-45分
 推奨年齢:12歳以上
 ジャンル:隊列式チームバトル
 問い合わせ先:(krqrwあっとyahooどっとcoドットjp)

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